とろける恋のヴィブラート

「もう大丈夫そうですね。そろそろ私、帰らないと……」


「お前、さっきの俺の質問にまだ答えてないぞ」


「え……?」


(さっきの質問……? って、私のピアノの音が全然前と違うって言ってたことかな……? できればこのまま何も聞かれずに帰りたかったのに……)


 奏はどう答えようか考えを巡らせた。下手な事を言って御堂を怒らせたくはなかった。