とろける恋のヴィブラート

(自分勝手で口も悪いし、わがままだし全然いいとこないのに……どうしてこんな優しい音が出せるんだろう)


 ドクンドクンと急激に上がっていく心拍数に、奏は咄嗟に胸を抑えた。


(なにこれ、なんで私……御堂さんにドキドキしてるの……?)


 誰だって整った顔をした人を見れば、男女問わず緊張するものだ。と言い聞かせながら奏は、自分が伴奏する出番を待った――。