空の誓い、海との約束

「私も、シエルに会った時驚いたわ。珍しい瞳の色ですものね」

「よく言われます、異質だって」

 苦笑する僕に陛下は優しく微笑む。

「私は好きよ、海色の瞳」

 愛おしそうに零れた、陛下の言葉。

 予感は確信に変わった。陛下はきっと“彼”の事が――

「どんな方だったんですか、僕と同じ瞳の方は」

 根っからの悪人だったのか、それとも忠実な臣下だったのか。

 どこで生まれ、どんな風に生きてきたのか。

 何故罪を犯し、何故許され、何故王宮で仕えたのか。

 知りたい。今、彼はどうしているのだろう。

 手にしたティーカップの中に視線を落とし、陛下は寂しそうに笑った。

「何から話したらいいか迷ってしまうけれど」

 ダグラスが陛下の肩にショールを掛ける。小さく礼を言い、陛下は僕を見つめた。

「……聞いてもらっても良い? シエル」

「はい」

 優雅な仕草でカップを置き、陛下は語り始めた。

「私がリフに初めて会ったのは、四歳になった春だったの」