空の誓い、海との約束

「後は舞踏会での頑張り次第です。お疲れでしたら、晩餐会まで少しおやすみください」

 うん、と力なく頷いて僕は着替えに向かった。皆まで説明するとしたら街での一件を話さなきゃいけないけど、二人に話すのは嫌だった。

『奇跡が起きたようですね、シェリフ』

 女王陛下の楽しそうな笑顔。悪戯っぽい笑み。とくん、と胸が鳴く。

 街の人たちと同じ服装をしていた時も綺麗な人だと思ったけれど、宝石や艶やかな衣装を身につけてもそれは変わらなかった。早い話が、すごく美人だった。

 それでいて、装飾品の輝きとは違う美しさを纏っておられた。陛下の周りの空気さえ煌めいているような……。

 とくん、とくんと鼓動が早まり、僕は戸惑った。何だ、一体。

『見ていれば分かるわよ』

『ありがとう、シェリフ』

 何だろう。心臓がきゅうと痛くて、むず痒い感じがする。御手を取った右手に、温かい掌の感覚が残っている。

 取り返しのつかない失礼をしてしまった。……けれど。

 僕は右手をきゅっと握って目を瞑った。

 もし、出来ることなら。もう一度陛下とお話してみたい。御手を取って踊ってみたい。

 もう一度、微笑んだ御顔が見たい。