空の誓い、海との約束

「しかしながら、諫める事と鬱憤を晴らす事は違います。私が聞き及ぶ限りでは、シエル様に対する彼等の言動には悪意が有ります」

「悪意……って、昨日は僕が悪かったんだし」

「自分が仕えている王子を忌み子呼ばわりし平気で侮辱するなど、臣下として失格です」

 ジョイはどきっぱりと言い切った。客人の臣下といえど許せぬ事は許せぬらしい。静かな怒りに厳つい顔と体格の良さがあいまって迫力がある。

「ですから、私はマリーを呼びました。あの人なら、シエル様を手当て出来ると思ったからです」

 僕はジョイを見上げた。もしかして、それって。

「お役に立てましたでしょうか?」

 ジョイは真面目な顔で尋ねた。どうやら彼がマリーに託したのは、色んな意味での手当てだったらしい。

 厳つい顔をして、優しい人だ。

「うん、とっても嬉しかったし助かった。ありがとう、ジョイ」

「お役に立てて光栄です」

 一礼した後、ピシッと居ずまいを正し、ジョイは言った。