空の誓い、海との約束

 肩の力が抜けた僕は彼に椅子を勧めて尋ねた。

「ねえ、ダグラス。僕、陛下のお話聞いてて思ったんだけど。彼って陛下の事が好きだったよね、きっと」

「そうだな」

 あっさり肯定するダグラスに僕は思わず身を乗り出した。

「やっぱり、ダグラスもそう思う?」

 返答はせず、テーブルの上で指を組んでダグラスは僕を睨んだ。いや、見てるだけなのかもしれないけれど。

「……本当に同じ色だな」

 懐かしそうに目が細められたせいか、ほんの少し眼光が柔らかくなった。親子、と陛下が言っておられた事を思い出して興味が湧いた。

「ダグラスの知ってる彼って、どんな人?」

「知りたいのか」

 詰問するような口調に思わず引きそうになったけれど。

「うん、知りたい」

 微かに――本当に微かに口角を上げ、ダグラスは低音の声で話し始めた。

「奴は賊になる前の記憶が無かった。自分がどこの誰かを、最後まで知らなかった」