駄目男、俺。




後悔?

そうだな、本気で後悔らしい後悔をしたのは、




確実に美和の物だけが無くなった部屋を今こうしてただ呆然と眺めるだけのこの状況。


『別れよう』


美和からの淡白で、簡潔なメールの後、全く通じなくなった携帯。家に帰れば、美和の痕跡のない部屋。
つい数時間前まで隣にいたのにそれは魔法みたいに見事な消え方だった。



「…まじかよ」



それしか言葉にならない。


思いあたる、理由、有りすぎて頭が痛い。



俺は、スーツの右ポケットに手をいれて、タイミングの最強すぎるこの状況に少し泣きそうになった。
淡い小さなピンクサファイアがダイヤを囲んだ、美和っぽい可愛い、リング。



給料3ヶ月分とかそんな洒落た真似は出来なかったけど、美和の喜ぶ顔を想像していた呑気な俺。



本当、駄目男。