駄目男、俺。

―――――…

その夜、


俺は何年振りかに親父とお袋と向かい合って飯を食べた。


「連れてきた彼女可愛いわね」


母親の声は呑気だけど、どこか探るようで面倒くさい。


「結婚、考えてるの?」



ほら、ね。



だけど、そんな面倒くさい話でも俺はいい機会だと思った。







「うん、考えてる。結婚、する気でいる」




そう、口にした後、その自分で発した言葉が妙に俺にズッシリ来て、ああ美和と、俺結婚したいんだ、と思った。



昼間、瑠美と触れるようにキスしたのは間違いなくて、妙に緊張した感覚は新鮮で、
「彼女、いるから」って何のひねりもない言葉をかけた俺に、瑠美はあはっと笑って「康ちゃん、相変わらず真面目」とウインクした。

え、俺真面目なの?って本気で聞き返してしまいそうだったけど。

俺は、もう多分瑠美の知ってる『康ちゃん』じゃなくて、美和の知ってる俺、なんだと思ったら、やっぱり美和が俺にとっての一番だと確信した。もう、俺ってとことん勝手な男。