ロッシュの限界



佐藤の隣は居心地がいい。
佐藤を探すのはほんとは楽しい。
佐藤があたしに話す時の声が好きだったりする。
佐藤の事をもっと知りたいと思う。
誰よりもそばに居たいと、思う。


つまりそれは。
あたしの、気持ちは。


「…あの、」
「ストップ」


口を開いた瞬間に制されて。


「言わなくて良いから」
「でも…」
「いーの。俺が勝手に言っただけだし。委員長が俺のこと嫌いじゃなければ、それでもう満足なの」


佐藤がそんなことを言うから。
急に泣きたくなってしまった。あたしの心はほんとに脆い。