「そういって、拐われでもしたら、どうすんの?」 「そんなこと、ないでしょ…。」 「茉梨。」 なんか、声が…。 あんまり、聞きたくない人の声が…。 「無視すんな。」 「何?」 私はくるりと後ろを向いた。 声の主はやっぱり雅人さんで…。 「こいつ、誰?」 雅人さんが、西科を指して聞く。 「ん?友達……?」 「あっそ。 で、家、帰らなくていいわけ?」 「いや…帰るよ。」 「じゃあ車「おい。」 雅人さんの言葉を西科が遮る。