「俺も基本はこの席に座って仕事してるだろうから、わからないことは聞いてくれていいよ。他の役員に聞いてもいいけど、皆忙しくてなかなか新崎さんにまでは手が回せないと思うからね。」
あなたが1番忙しそうに見えるのですが・・・?
白馬の王子様こと碧くんは、家の中では一切見せないような笑顔(営業用)を浮かべて言った。
「それじゃ、もうすぐ開会式だから。新崎さんにお願いするのは、その後だから、開会式が終わったらすぐにここに戻ってきてくれるかな。」
「わかりました。」
「それじゃ、よろしくね。」
あたしが頭を下げてからテントを離れると、なんだかトゲトゲした視線をいたるところから感じた。
この視線は・・・。
チラッとそのうちの一点を見ると、"王子万歳"と書かれたハチマキを巻き、タオルを持って、あたしを睨んでる女子生徒と目が合う。
音楽部は壮真先生のファンクラブみたいなものだけど、碧くんのファンクラブだって確かに存在するわけで。
言うなれば、同じ類いのものは叶多くんにだって結成されつつあると最近耳にした。
でもなぜか、人気があるのは同じなのに、千早だけは聞いたことがない。
