キーンコーンカーンコーン
そうこうしているうちに、チャイムが鳴ってしまった。
「あ、僕もう帰らなきゃ!皆、今日はどうもありがとう!体育祭、頑張ろうね♪」
次のテストがあるのか、叶多くんは足早に去っていってしまった。
勝手に入ってきて勝手に帰るって・・・。
叶多くんにはほんと、振り回されちゃう。
「可愛いー。あんな弟、欲しいー!」
叶多くんが帰ると誰かがそう言った。「わかるー。」という声が次々にあがる。
体育祭の種目決めのための時間が、脱線もいいところだ。
「ところで、なんで叶多くんはもかにあんなに懐いてるのよ?昨日は全然知った素振りも見せなかったくせに、1日で何かあったの?」
え゛・・・。
鋭いところを突いてきたのは、紗耶ちゃん。
やっぱり紗耶ちゃんは手ごわい。
「確かに言われてみれば!呼び捨てにしてたしねー。」
「なんでなんでー?」
や、やばい。
紗耶ちゃんの一言のおかげで、まだ名前も覚えていないような人たちからも質問が続く。
どうしよう・・・。
叶多くんったら、大きな置き土産残してくれちゃって!自分は早々に帰っちゃうし。
