あたしには見える。
叶多くんの頭には、鋭く光ったツノがニョキニョキッと生えているのが。
「なんで俺がこんなやつに謝らねぇといけないんだよ!」
「あ、ひどーい!可愛い叶多くんを"こんなやつ"呼ばわりするなんて聞き捨てならない!!」
今度は紗耶ちゃんが怒り出した。
大半の女子から睨みを利かせられて、さすがの千早も恐れ入ったのか・・・。
「わ、わーったよ!悪かったよ!」
ついには素直に謝ってしまった。
その後に小声で、「なんで俺が・・・。」とかなんとかぶつぶつ言ってるけど、その通りだと思う。
「皆やめて!そんな千早でも、僕の大切なお兄ちゃんなのっ!」
「か、叶多くん・・・。」
「ごめんね、叶多くん。」
「もうしないよ・・・。」
最後まで手を抜かないのが、叶多流。
千早はげんなりした顔で自分の弟を見つめてる。
わかる。こればかりは、あたしでも千早の気持ちがわかるよ・・・。
