あたしは、基本的に自由主義な両親のおかげ(?)で、なんでも自分のことは自分でやるように育ってたから、(特に母の料理の腕は壊滅的だった。)ある程度の家事はひとりでこなせるけど・・・。
喜瀬一家の以前までの家事はおよそ8割が壮真先生担当。
(残りの2割は、突然の思いつきで料理を始めたりする母や弟たちによるもの。しかしほぼ失敗に終わる。)←壮真先生の証言。
天然で抜けててなにを考えているのかわからない(多分何も考えてない。)先生だけど、そういう面に関してはこの家では1番安心できるらしくて。
そんな喜瀬家の中でも、特にそういうものに不向きだったのが、意外にも碧くんだった。
学校では"完璧"を装ってるし、どこから見ても弱点なんてないように思えるけどね。
事例をあげてみよう。
前に作ってもらったカレーライスは、なぜかどす黒い邪悪な色をしていて、味は異様に甘く、酸っぱかった。
(その日、夕食に出そうと思って買っていた3箱の納豆と、まだ半分近くあったはずのレモン汁とお酢がなくなっていた。)
また、即席ラーメンを茹でる最中に電話がかかってきた時、あとをお願いしたら、戻った頃には綿の形状はなく、すべて水分と化していた。
裁縫を手伝うと言われて任せた小さな穴の補修だったが、出来上がったものには、新たに違う穴が3つほど追加されていた。
とまぁ、あげればキリがないほど、碧くんの不器用を証明するエピソードは豊富に取り揃えている状態なのだ。
