シークレットラブ~Boys~

彼女は、悪くない。

覚悟ができてなかった、俺が悪い。



「・・・・・・ありがとう。文也君。」


ふわり。

微笑む彼女が、まだ・・・愛しくて。

同時に、やりきれない思いが、わきあがる。


自分に、舌打ちをしたくなる。

これだから・・・俺はガキなんだよ。




俺は、また。

幼い自分を隠すように、顔に笑みを貼り付ける。



「さようなら、香織(カオリ)さん。

・・・・・・お元気で。」


「えぇ・・・。さようなら、文也君。

愛してるわ。」




彼女は、甘く甘く囁き――今度こそ、去って行った。



やっぱり、彼女はズルイ。

去り際に、『愛してる』と、囁くのだから。



俺には、もう、言えない。

言ってしまったら最後。


彼女を諦められなくなる。




俺は、それぐらい。


彼女を愛してる。