【時間が出来たら、裏庭に来てください】
顔文字も何もない、無愛想な文面。
送信ボタンを押して深呼吸し、裏庭に歩き出した。
裏庭に行く途中、いろんなことを思い出した。
はじめてバスケ部に入った時のこととか。
先輩と一緒に自主練したこととか。
私が落ち込んでるときに励ましてくれたこととか。
はじめて試合で勝った時誰よりも早く喜んでくれたときとか。
受験で忙しいはずなのに、バスケ部を見に来たり、とか…。
思い出せば思い出すほど…先輩と離れたくなくなる。
先輩に会ったら、泣きそうだ…。
またじんわりと熱くなる目頭にぐっと力をこめ、パチンと両頬を叩いた。
絶対、自分の気持ちを…先輩に伝えるんだ。
「春奈ちゃん!」