時間が流れるのはすごく早くて、もういつの間にか桜の咲く季節に移り変わっていた。
去年の今頃、私は何をしていたかな。勉強だったかな、友達と遊んでたかな。
そんな些細なことも思い出せないくらい、高校1年は有意義な年になった。
そして、そんな今日は…大好きな先輩の卒業式で。
まだ桜は満開ではないけれど、ちらほらと芽を出し始めている。
「(今日は…絶対に…!)」
自分の気持ちを、先輩に伝えるんだ。
ずっとずっと、心の中にとどめていた気持ちを…。
花道を歩く先輩を目にした瞬間、目頭がじんわりと熱くなった。
わ、何で私が泣いてんの…!今日は大事な日なんだから…!
がんばるんだ、自分…!!
ぎゅっと携帯を握りしめ、先輩にメールを打った。