離ればなれでも【企画】





「お、顔真っ赤」


「っうっさい!!」




くるっと先輩に背中を向けて顔を両手で包み込む。


先輩の言ってた人って、まさかの私…!?


いや、でも…え!?




「ずっと前から両想いだったみたいですねえ?春奈さん」


「え!?」




ぎゅっと後ろから抱きしめられ、動く範囲で首を動かした。




「やっぱ、あの時言っとくべきだったなあ。そしたら毎日安心だっただろうに」


「あ、あの時…?」


「そーよ。ま、今となっちゃどーでもいいけどね」




クスクスと笑って体の向きを変えられる。


あの時って?安心ってどういうこと?




「じゃあ、改めまして…。

───米原春奈さん。オレと、付き合ってください」




私の大好きな笑顔で、手を差し伸べて来る大好きな人。