───そして、先輩が関東に旅立つ日。




「先輩、他の人は…?」


「見送りに来られたらまじで泣きそうだから誰も呼んでないよ」




ええ!?じゃあ、見送りに来たのは私…だけ!?


それはそれで恥ずかしいんだけれども…!!


ごほん、とひとつ咳払いをして鞄の中から袋を取り出した。




「先輩、大学でもがんばってくださいね」


「うわー、本気で泣かしに来てるでしょ?」


「あ、バレました?」




クスッと笑ってそう言えば、先輩は「まったく…」と呆れたように笑った。


そして先輩はポケットからピンクの包装をした箱を取り出した。


?……なんだろう。




「ほい」


「……へ?」


「やるよ」



…えええええ!?!?


ピンクの箱を照れ顔で渡され、私も反射的に顔を赤くしてしまった。