みんなに会える、最後だったのに…私、先輩を呼び出して悪い事しちゃったな…。


セーターの袖で涙を拭い、私は笑った。




「急に呼び出しちゃってごめんなさい」


「ん?いいよ、別に。なんかあったんじゃないの?」


「…いえ!先輩と話したかっただけなので!」


「えー?そうなの?…なんだ、ちょっと期待したのに」


「えっ?」




ぼそっと呟いた言葉が聴こえなくて、聞き返せば笑顔で「何も」と言われた。


なんだったんだろうな…。




「あ、先輩!」


「ん?」


「先輩が行っちゃう日、教えてくださいよ!私、お見送りに行きますよ」


「おっ?オレを泣かせに来るつもりか、お前」




ケラケラと笑って楽しそうにする先輩に、私も笑った。