寂しそうに、先輩が言うもんだから我慢していた涙が一粒、地面に落ちた。
「…え!?春奈ちゃん!?どしたっ?」
「ご、ごめんなさ…っ」
笑顔で見送るはずだったのに。
笑って、告白するつもりだったのに。
そんな計画、すべて崩れ去った。
「せ、先輩がいなくなるとさみしいなぁって…思っちゃって」
「…そっか。うん、オレも寂しいよ」
淡い、期待をしてしまうんだ。
先輩の言葉がすべて、私に向けられていて私と同じ気持ちだったら、って…。
でも告白なんてできるわけなくて、言いたかった言葉を、伝えたかった気持ちを、封じ込めた。
「いつ、関東に…?」
「んー、もう荷物は送ってあるからな。オレの準備が出来次第かな」
「そう、ですか…」

