離ればなれでも【企画】





不意に出した言葉が気になって、照れ笑いしながらそう聞くと先輩はくすっと笑った。


す、好きな人の夢も知らないなんて私最悪だ…!




「今はバスケの選手かなぁ。でも大学行って、いろいろ視野広げるつもり」


「バスケの選手…!先輩ならなれますよ!絶対!」




私がそう言うと先輩はクスクスと笑って、私の頭に手を置いた。




「おう。なってみせるよ絶対」


「がんばってくださいね!私、ずっと応援してますからっ」




ぐしゃぐしゃ、と頭を撫でられ笑った。




「春奈ちゃんに言われると何でも出来る気がする」


「なんですかそれ!私そんな効果ないんですけど!」


「あははっ、いや、オレにはあるよ」




ぐしゃぐしゃと撫でられていた頭のぬくもりはだんだんと離れ、私の頭の上は何もなくなってしまった。