「ありがとぉ、黒崎さん」




 黒崎さんは珍しく、ボクの過去を知っている。




 ボクの犯した罪のことも。




「天美もとうとう高校を卒業したのか。
どうだった?花の高校生活は」




「花ぁ?花なんてものじゃないよぉ。
退屈すぎるぅ~」



「天美。それは女子の言う台詞じゃないかな?
高校卒業したての男子が言うのじゃないよ」




「だって本心だからねぇ。
しょぉがないかなぁ・・・」




「ま良いや。手洗っておいで。
クッキー焼いたから、食べてよ」



「わぁ~本当?
いただきます~!」



 ランランラン



 ルンルンルン




 クッキークッキークッキッキ。