「妹さんを守るときに右肩に火傷を負ったんだ」
「治りますか?」
「跡は残念ながら戻る。
でも動かせなくなることはないから、大丈夫だよ。
ただ、この先傷のことでからかわれるかもしれないな」
「大丈夫です」
後日、俺と咲希は退院した。
両親がいないから、施設に行くだろうと思っていた。
しかし。
「さっさと選びなさい。
あんたはどっちに行きたいんだ」
父さんの姉にあたる達子(たつこ)おばさんか
母さんの姉にあたる真知子(まちこ)おばさんの
どちらかに引き取られることになった。
咲希とのお別れも意味した。
「僕、咲希と施設に行きます」
「我が儘言うんじゃないよ。
お前らは離れる運命なんだ」


