ボクは古い家の隅にある部屋で、いつも窓を見ていた。
山の上に建っているから、ふもとの町が良く見える。
何だか空の上から人々を眺める神様になったみたい。
毎日することもなく、窓から町を眺めた。
学校へは行っていない。
いわゆる不登校。
でも教師も何も言わないし、友達いないし。
行く意味がない。
「おい天美。何してんだよ」
「お兄ちゃん。帰ってたの?」
「あぁ。腹が減った。何か作れ」
「うん」
料理も掃除もボクの役目。
ボクはいつも通り台所へ向かい、包丁を握ってご飯を作る。
「何が良い?お兄ちゃんが食べたいの作るよ」
「じゃ、ハンバーガーでももらうか」


