ボクの家は、人里離れた山の頂上にあった。



 大きくて古いお屋敷のような家。



 人はそこを、幽霊屋敷と呼んでいた。



 じゃあボクは幽霊だね。



 ふふ・・・ふふふ。



 おっと危ない。話を戻そう。





 ボクの家族は、一言で言うと、愛のない家族。



 頭の中仕事だらけのお父さん。



 浮気が趣味のお母さん。



 近所の不良グループのリーダーのお兄ちゃん。



 暴走族の総長の彼女のお姉ちゃん。



 そして普通とは違う、ボク。




 それがボクの家族。



 みんな色んな意味で忙しいから、いつも家にはボク一人。




 寂しくなんてないよ。