俺・篠木硅午(ささき・けいご)の家は、どこにでもある、ごく普通の家だ。





 無口だけど頼りになる父さん。



 家事が得意などこにでもいる専業主婦の母さん。





 市内にある2階建ての一軒家で、俺は小学5年生まで普通に暮らしていた。




「硅午。話があるのよ」



「何?母さん」




「実はね。・・・硅午に妹が出来るのよ」



「妹!?」




「ええ」




 その時俺は、素直に嬉しかった。



 最近学校で良く話す奴に弟が出来たらしく、よく俺に自慢してきて、一人っ子の俺は羨ましいと



 子どもながらに感じていたから。




「それでね。硅午に名前を考えてほしいの」




「わかった!良い名前、考えておくね!!」