しかし朝食を食べないと勉強できない。 そう言う風に教えられてきた俺は、我慢して食べた。 「行ってきます」 明るい「行ってらっしゃい」はもう聞けない。 俺はこのまま、部外者、居候としてこの家で過ごすのだろう。 そう、考えていた。 その日の夜。 「秀美―。御飯よ」 昨日と同じなので、部屋を出なかった。 「何してんの。あんたも来なさい」 怒った秀美の声で、俺も階下へ向かった。 晩御飯は、すき焼きだった。 「好きなものを取りなさい」