学校は楽しくない。


…でも行くのが嫌なわけでもない。


つまり、つまらないってこと。



今日も私はいつも通りの毎日を送る。


授業を受けて、かおるちゃんと話して、終わり。


一人で帰る。


でも、今日は違った。



「美樹ちゃん。

 一緒に帰らない?」


王子さまが声をかけてくれたから。


嬉しくなって…


嬉しい自分にビックリする。


ど、どうして嬉しいなんて思ってんの!!


別に…


――別に、好きじゃないのに。



「…別にいいですけど」


「あっ、また敬語口調に戻ってるよ」


ごもっともな指摘で。



「じゃあ帰ろう!!」


「…私日直だったのに、どうして門にいたの」


「え、だって」


王子さまの顔がビックリしてる。

なんか変なこと言ったかな…


「だって僕、ずっと門のところで待ってたから」


「マジか!!」


「マジ、マジ」


待ってた!?

最低でも30分はかかるのに…



「…そう、なんだ」


「そうだよ」


その瞬間、心のどこかがコト、と動いた。

…王子さまって、優しいところもあるのかな。


「さ、帰ろ帰ろ」


手を引っ張られる。


/////

…。