バニラ

困り顔の和臣さんが私を見降ろしていた。

「和臣さん?本物?」

「はい?」

「どうしたんですか?お店は?」

「全くもうあなたときたら、
 お店の心配ばかりして、
 私は、あなたの事が一番心配なんです。

 さっき、
 大人げない態度であなたを傷つけたんじゃないかって心配で
 追いかけて来たんです。」

「和臣さん?」

「はい?」

「私……だめなんです。

 私、最近
 自分に都合のいいことばっか考えてて、
 特別なんじゃないかって、
 そんなわけないのに、
 あのカフェは和臣さんのお城で、
 私はそこの従業員で、
 だから大切にしてくれてるだけなのに
 なのに、もしかしたらなんて、

 だから、優しくなんてしちゃ駄目です。」

「竹居さんは私の事ばかり考えてる?」

「え……はい。」

「それは、うぬぼれてもいいって事ですか?」

「え??」

「お店は忙しいばっかりで、
 収入も安定しないし、
 もうすぐ四捨五入すると40になるけど、
 好きな女の子のことで頭いっぱいで、
 でも自信なくて、
 けれど、焼もち妬いて、
 冷たい態度とっちゃうようなそんな私に
 好意を持ってくれているのかと。

 これって勘違いですか?」