テトの小型の鏡が光りだしたのだ。
「どうなっているんだ・・・!?」
テトの様子を見る限り、普段はこのようなことはないようだ。
「おいで・・・」
「え?」
「おいで・・・」
急に女の人の声が聞こえた。おいで、おいで、と呼んでいる。
「テト、声が・・・ 」
「声?」
どこから聞こえるのか耳を澄ますと、どうやら小型の鏡から聞こえてくるようだ。
それを見極めたくて、ゆのは小型の鏡に手を伸ばした。
ーーーチクンッ
冷たい鏡の表面に触れた右手の人差し指の先端に、鋭い痛みを感じた。
「痛っ」
反射的に手を離して見ると、針で刺したあとのような血の雫ができていた。
「ユノ、大丈夫!?」
「大丈夫だよ」
少しズキズキするけど、こんなのなんともない・・・。
「でもどうして? 今までこんなことはなかったのに・・・」
テトは小型の鏡をじっくり見て異常がないか確かめていた。
本当は、小型の鏡から聞こえた声も、何故か刺された指も気になるのだけれど・・・
「もう、帰ってもいい・・・?」
オズヴェルドの言葉に悩んでいたゆのはここ数日寝れておらず、疲れていた。
