「顔、真っ赤だ」 「う、うるさいっ……」 渉が近いから。 そうやって顔を覗くから。 だから、恥ずかしくて ドキドキして……… 身体が熱くなるんだ。 「さっき言ったのは、 “裕貴に気をつけろ”ってこと」 「どうして?」 「なんとなく、だよ…」 渉の表情が曇ったから、 あたしはわかったと言った。 女の勘が当たるのはよく聞くけど、 男の勘も当たるのかもしれない。