ふとポケットに入れたケータイを見ると、十二時をちょうど回ったところで。


「あたしの誕生日、か。」

棄てられてから、18年たった。
時間が過ぎるのは、速いもんだなぁ。

「Happy birthday to me♪

Happy birthday to me♪

happy birthday dear me♪

happy birthday to me♪」


なんとなく、口に出してみた。

それが、無償に虚しくて。

「はは…全然、ハッピーじゃないじゃん。」

また、空を見上げる。

月に、見とれる。


そうして自分から、目をそらす。