「…どうしよう」

「どうしたもこうしたも、戻れる方法が見つかるまでこの世界で暮らすしかないですね。」

「そんな……」

「だったら、僕たちの誰かが恵那ちゃんを引き取るしか……運良く皆一人暮らしだから大丈夫だよね。そうするしかないよ。」

「まっ、待ってください、そんな皆様にご迷惑をかける訳には…」

「じゃあ聞くけどこっちの世界に身寄りはあんのかよ?」

「うっ……それは…」




駄目だ。完全にノックアウトされた。とにかく早く戻れる方法を探さないと野球部の皆が困っちゃう。それまでは…


「あの……できる事は何でもするので誰か私を引き取っていただけますかね…?」


四人ともピタリと動きを止める。あれ?私変な事言ったかな?


「…引き取るってお前…お嫁に貰うみたいな言い方やめてほしいぜ…」

「!?うわあっ、ごめんなさい小谷くん!」

「お前、敬語とか暑苦しいからマジやめろ。」

「え、あ、ごめんなさい!」

「だから、敬語はやめていいんだよ。ほら、リラックスリラックス。」

「え、あ、分かり…分かった。」


顔を上げたら四人の顔。



「皆さんっ、これからよろしくっ!」

と勢いよく頭を下げた。




こうして、私の異次元での生活が始まったのだった。