私はこっそり親指を立てた。 その時、朔哉サマと目が合った。 「あ、ユア……?ねぇ助けて!この人混みは一体なんなの!」 女の子たちの視線が一斉に私へと向けられる。 うぅ…2次元ならともかく、リアルでこういう体験をすることになるとは…… 乙女ゲームの主人公のような誤魔化し方は到底できませんが… 私は私のやり方で、この窮地から朔哉サマを救ってみせます。 ……はじめに言っておきます、怒らないでくださいね朔哉サマ。