名刺に記載されている番号にかける。 4コールほどしてから眠そうな声が聞こえた。 『もしもしーどちらさま?』 「あ、あの……由藍です、高丘由藍と申しまふ!」 か、噛んでしまっ……! 恥ずかしくて見えてもないのに顔を押さえる。 『あー由藍ちゃんかー。どうかした?』 「あの、今からそちらにお伺いしたいのですが……」 『おーそうかそうか。散らかってるけどどうぞー。あ、ひとりで来れる?なんだったらシモン寄越すけど』