「わかっているなら何故?キミがぼくに話しかけてくることはキミに何のメリットがあるの?」 ギギギ……カシャカシャ 冷たい空気の中、そぐわない機械音だけがずっと鳴っています。 彼の持つSPCからでしょうか。 黙り込んだ私にふぅ、とため息をつく朔哉サマ。 「…特に何もないわけだ。時間にして3分19秒のロスか。またね、ユア」 「っ待ってください!」 私はとっさに彼の制服の裾を掴んだ。