「傘は持たない主義なんだ。側面からの浸水は防げないし強風に耐えられないし。 本来ならぼくが濡れるのはどうにかしてでも避けたいところなんだけど……」 彼が苦虫を噛み潰したような顔をする。 だ、だったらこれは受け取れないですって……! 「雨のせいでキミが風邪を引くと考えたほうが耐えられない……し。 キミのほうがぼくより弱いんだから、ぼくが守らなきゃって思うんだ」 「さ、朔哉サマ……」 レインコートを貸してくれたことより彼の気持ちが、うれしかった。