「って、もう入ってるし」 「なにか問題ある?」 パソコンの画面を見ていたボスがくるりと椅子を回転させこっちを見る。 ボサボサでアシンメトリーな黒髪。 レンズが取れてセロテープで貼り付けた眼鏡、 よれよれの汚れた白衣。 ……この人が、ぼくを創った博士。 ボスは愛称かなにかなのかな、目覚めたときにそう呼ぶように言われたから詳しくはわからない。 ぼくの中にあるデータのボスは、30代後半でバツ一。