最後のほうは完全に妄想になって別の意味で意識が飛びかけたけれど 朔哉サマと気まずくならなくて、よかった。 それから数日後のこと。 「……由藍氏、見るであります」 「なんですか?」 千博ちゃんが手で望遠鏡を作る仕草をする。 それに習うように千博ちゃんの目線の先を追う。 「あ、桜小路くん、これ……」 「なに?これ」 「あの、その…手紙、です」 教室のドアの前で顔を赤らめながら、朔哉サマと話している一人の女子。