あぁ、前にもこんなことありましたね。 あの時は彼の手を迷いなく取ることができた。 でも、今は…… 「ごめんなさい。平気、ですから」 スカートをパンパンと払いながら立ち上がり、 そのまま彼のほうを見ないで席につく。 「……由藍氏が変であります。さては、朔哉boyとラブイベントのひとつでもありましたな?」 千博ちゃんがニヤニヤしているのが、見なくてもわかる。 「ラブイベントって……別に、ユアとキ……」 「うわあああぁぁあ!!!」