自分の席につこうと椅子を引いたところで… 「あ、ユア、目の下にクマができてる…また寝てないんでしょ」 「ぴゃっ!」 朔哉サマの手が私の目元に伸びてきて、反射的に後ろに下がろうとして、引いた椅子に躓き転んでしまった。 いたた…… いつもどおりの彼を見てると、あの時のことは私の都合のいい夢だったのかなと思う。 朔哉サマがもう、鈍くさいなと言いながらも手を差し出してくれる。