きーだくんは二頭身のゆるキャラ的な社長イラストだ。
暇つぶしに実は今でもたまに書いたりしているから、急に言われたからといって焦る事もなかった。
空いた時間でイラストの勉強も欠かさずしていたから、あの頃よりは画力も上がっているはず。
仕事をしているきーだくん。
電話をかけているきーだくん。
ちょっと可愛い眠そうなきーだくん。
そんなのを書いていると、坂井さんがやって来る。
「矢野ー書けたか?」
「あ、はいっ。ちょっとなら」
「これさ、前にちょっと話したやつ。どう思う?」
「見せて下さい。あー悪くないですね。社長の毒気が抜けていい感じです」
「どういう意味だ?」
「えっと……好感が持てるって意味ですよ」
「じゃあ普段は好感がないって事かよ」
「いやそうじゃないんですけど……」
いつもの二人の会話が目の前で繰り広げられているうちに、あたしはこっそりその場を抜け部屋の片付けに向かった。

