―それから、私は教室の窓からグラウンドを眺めていたら、奏人君がいた。


奏人君は陸上部。
友人と楽しそうに持久走をしていた。

奏人君のヴァイオリンを早く聴いてみたい。
奏人君とは同じクラスなのに実は昨日初めて会話した。
奏人君のことを全然知らないし、
帰るときに陸上部が外周で走ってるところくらいしか見たことがない。
奏人君がヴァイオリンを弾く姿は…想像できない。

「私も、もう帰ってピアノの練習しなきゃ。」
そう言って私は教室を後にした。