奏人君の歌声が聞けるなんて、夢みたい。
…って何考えてるんだ私、気持ち悪いって思われちゃう!落ち着け花音!
奏人「結構前に放送していたドラマの主題歌を歌う。」
お、その曲私知ってる!!
虹歌「ほーう。楽しみだわ。」
やっと、虹歌の関西弁が止まったみたい。
円「あ、この曲俺知ってるわ。」
奏人「それなら一緒に歌おう。」
虹歌「あんた、もう忘れたの?ついさっき一人で歌う言ったばっかりじゃん!」
奏人「いや、次俺が歌うって言っただけでソロで歌うとは言っていない。それに、一人より二人の方がいい。」
ガーン。奏人君のソロ聞きたかったなぁ…
でも、円君と一緒に歌うのも聞いてみたいかも。
虹歌「あっそう…まぁいいよ好きにすれば?」
花音「あのさ、注文しない?ドリンク。」
虹歌「あ、そうだね。うち、これがいい。」
奏人「俺の分も頼む。これでお願い。」
花音「わかりました。」
円「俺は、メロンソーダで。」
花音「…注文しました!」
円「じゃあ曲入れるよー」
奏人「あぁ。」

―そして曲が流れ始めた。
前向きな曲で、私の中で結構気に入っている曲。
そして、ついに歌詞が表示され、二人は歌い始めた。
奏人、円「強い雨風が吹いてもキミは行くー」
息ぴったり。音程もバッチリ。
あっという間に曲も半ば。
そして、ついにこの曲聞きどころの『掛け声』!
奏人君が歌うみたいで、どのように歌いこなすのか楽しみ。
奏人「人生、まだまだ長いぞ!!!」
大迫力で、思わず鳥肌がたってしまった。
円君と虹歌も、だいぶびっくりしたみたい。
さすが奏人君だなぁ…。
そしてあっという間に終わった。
得点は……
83点!
すごい。
音程が正確だったから、得点がのびたと考えられる。
私が今までの最高記録は80点。
二人で歌ってるわりでも、本当にすごいと思う。
虹歌「なかなかいいじゃん。
じゃ、次はうちと花音の番だね!」
…え。
花音「…何歌う気?」
虹歌「もちろん、いつものやつ!」
やだ。本当に歌いたくない。
私が返事をしなかったから、沈黙がおきた。
そしてこのタイミングでドリンクが届いた。
少し、ジュースを飲んで落ち着こう。
こうして私はジュースを飲んだ。
落ち着いて考え直すと、奏人君たちが歌ったのに私だけ歌わないのはまずいよね。
じゃあ、あの恋愛ドラマの曲にしようかな。
花音「じゃあ、あの恋愛ドラマの曲にする?」
虹歌「おっけー。じゃあ入れるね。」

…そして、流れ始めた。
フルで聞いたことないから、一番で止めるつもり。


花音「君のことが」
虹歌「好きだよ」

…………やっと終わった。
奏人君の顔が少し赤くなっていた。どうしたんだろう?
虹花「花音!81点だって!」
花音「おぉ…。80点超えたの初めて…。」
虹花「うちが上手いおかげやな!」
虹花は相変わらずドヤ顔をしている。
奏人君は未だに顔が赤いけどどうしちゃったんだろう…?
虹花「もう少しで梅園と神山に勝てたんに…。花音!今日から一緒に特訓や!」
花音「え〜!?虹花の方が上手いのになんで私まで…」
虹花「ええやないか。83点を超えられるまでやるで!」
嫌だなぁ…。
円「じゃあまた今度勝負しようぜ!」
虹花「もちろん!」
いつの間に勝負になってきたの…。
でも、またこの4人でカラオケ行けるならいっか…。
虹花「残りの時間、歌いまくるでー!」
円「お、おう。」
虹花「…花音と梅園ー?返事はー?」
花音「う…うん…。」
奏人「はいはい。」
虹花「元気ないな。まあいいか。」

―そしてあっという間に2時間が経ち…
虹花「やっぱ2時間ってあっという間だったね。」
奏人「そうだな。最初は歌いたくなかったが、しばらくしたら楽しくなってきた。」
花音「私も。」
虹花「神山は?」
円「あ、うん。」
奏人「…じゃあもう今日は帰ろう。また明日な。」
花音「うん、またね!」
虹花「ほなまた明日!」
円「おう。」
…そして私たちは家に帰った。
今日は本当に楽しかった。
またこのメンバーでカラオケ行きたいな…。
さて、入学式の伴奏の練習しないと。