―次の日。
私は奏人君たちに昨日のことを話した。
みんな、よかったじゃんと言ってくれた。
本当に、美恋ちゃんと友達になれてよかった!
ピアノ仲間としてじゃなく、ちゃんとした友達に…
私は今年、本当についていると思う。
奏人君や円君とも仲良くできたし、美恋ちゃんと友達になれて。
こんなに学校が楽しく感じたのはいつぶりだろう。
小学生ぶりだろうか。
私はそんなことを考えながら、授業の準備を済ませた。

…放課後。
虹歌「これから、このメンバーでカラオケ行かない?みんな、平気?」
奏人「俺は別に構わない。」
円「奏人が行くなら俺も行く。」
虹歌「おっけー!花音は?」
花音「私も大丈夫。」
虹歌「じゃあ決まり!家に帰ったら超特急に着替えて準備して、学校の階段の上待ち合わせね!」
花音「わかりました。」
奏人「また後で。」
円「じゃあな」
そして各自自分の家へ帰宅した。
超特急に準備をして学校の階段の上へと向かったら、すでに奏人君がいた。
奏人「あ、楽音寺。お前、入学式までもう3週間ほどしかないが、大丈夫か?
……その調子なら大丈夫そうだな。
楽音寺は、どんな歌を歌うんだ?」
花音「私は、ほとんどクラシックばかりしか聴かないのですが…有名なJ-popくらいなら歌えると思います。」
奏人「そうか。俺も楽音寺と同じようにクラシックばかりしか聴かないからさ。
まぁ、愛乃山のテンションについていこうぜ。」
花音「そうですね、虹歌カラオケ好きだしもともとテンション高いから聞いてるだけで楽しいと思います!」
こうして奏人君と会話をしていると、円君と虹歌が来た。
奏人「ようやく全員そろったな、じゃあどこのカラオケボックスにする?」
虹歌「あそこのカラオケ、曲が豊富でオススメだよ!あとは…」
さすがカラオケ好きの虹歌だ、カラオケの話になったとたんにいつも以上に話し出した。まぁ、虹歌らしくていいけどね。
そうこうしているうちに、どこのカラオケへ行くか決まったみたい。
奏人「よし、じゃあ行くか。」
虹歌「梅園って何歌うの?クラシックとかしか聴かなさそう。」
奏人「そのとおり、俺はクラシックばかり聴いている。有名な曲くらいなら。」
虹歌「なら、花音と一緒だねー。
なんか、ごめんね?カラオケ誘っちゃったりして。」
奏人「いやいやこのメンバーといると楽しいし、誘ってもらえて嬉しいよ。」
円「それな。奏人の言う通り。」
奏人「いちいち便乗すんな。」
…こうして歩きながら話していたらすぐ着いた。
私は、もともとJ-popを聞かないうえ、歌う気なんてさらさらない。
ただでさえ虹歌と二人っきりでも歌うのが恥ずかしいのに、奏人君たちがいると余計に恥ずかしいから。
正直、聞いているほうが好き。