美恋「もちろん、花音さんのようにピアノを上達させたいからです。
私、みんなから言われるんです。
心を込めて弾けって。
優等生すぎるって。」
やっぱり他の人にも言われてたんだ…
花音「私でよかったら、教えます!」
美恋「ありがとうございます!」
花音「どういたしまして!
まず、楽譜通りじゃなく、曲のイメージで、自分でここは元気に弾いた方がいいなとか考えてみるといいですよ!」
美恋「なるほど…さすが花音さんです。
私、そんな事考えたこともなかったです…。」
花音「あと、弾くだけじゃなく、聞くことも大切です。ほかの人の演奏から学んだりしてもいいと思います!」
美恋「ご丁寧に教えてくださってありがとうございます!いつか、必ずお礼します!」
花音「いえいえ、こちらこそ。
あと…敬語やめない?私と一緒の時だけでいいですから…」
美恋「別にいいですけど…なんでですか?」
花音「なんかその…私達、ピアノ仲間じゃなく、友達になりたいなーって…
仲良くなったら一緒にピアノ弾いたりしたくて…め、迷惑ですよね…」
美恋「全然迷惑なんかじゃないです!
…実は私も、友達になりたいと思っていました。じゃあ今日から友達!よろしくね、花音ちゃん!」
タメで話してくれて、本当に嬉しかった。
美恋ちゃんと友達になれた…!
花音「こちらこそよろしくね!」
美恋「…あっ、そろそろ帰らないと…
今日は本当にありがとう!」
花音「そっか…。いえいえ!送らなくて平気?」
美恋「大丈夫だよ!じゃあ、失礼しました!おじゃましました!」
そう言い残し、美恋ちゃんは私の家を出た。