―そしてあっという間に月曜日になった。
演奏会はとても楽しかった。
神山君とは初めてちゃんと話したけど、少し仲が深まった気がする。

奏人「おはよう、楽音寺。演奏会楽しかったな!」
花音「うん、とても楽しかった…!また演奏会したいかも…」
虹歌「おはよう梅園、花音~!っあ、もしかしてお邪魔…だった?」
花音「な、なに言ってるの虹歌ったら…」
虹歌「なんでもないー、まぁ演奏会楽しかったなー!」
奏人「そうか、ならよかった。
俺も楽音寺のあの言葉を聞いた日から毎日ヴァイオリンを弾いているよ。
感謝の印だ。たいしたことができなくて悪い…」
花音「そんなことないよ、すごく楽しかった!奏人君のヴァイオリン聞けて嬉しかったよ!」
虹歌「そそ、花音の言うとうりだよ。
なんでそんなネガティブに考えんの?
よく生きてこれたね」
奏人「っな…!」
虹歌「そんなネガティブ思考じゃハゲるよ?いいの?」
奏人「ハゲるのは…困る。」
虹歌「ならネガティブ思考やめたらー?」
奏人「あぁ、そうだな。」

虹歌と奏人君が楽しく話しているところを見ると…なんかすごくこころのどこかがチクチク痛む………
これってヤキモチ…?
いやいや、そんなわけないよね…

虹歌「ねぇ花音…。花音ってば!」
花音「ふぇ!?」
私はつい変な声をあげてしまった。
虹歌は笑いをこらえてる…
どうせなら笑ってよ……
恥ずかしくて溶けちゃいたい。
円「楽音寺、今の声…」
奏人「楽音寺、気にすんな。それより、大丈夫?すごい辛そうな顔してたけど」
花音「ぜ、全然大丈夫だよ!…ありがとね」
虹歌「そういえば、一週間後って三年生の卒業式だよね」
奏人「そうだな、校歌の伴奏は水野だったよな…。俺は楽音寺の伴奏がいいのになぁ…」
え…。無意識に私はドキドキしていた。
私ったら、平常心平常心…!
虹歌「卒業式終わったら入学式…か。
いよいようちらも先輩になるのかー!」
奏人「入学式の伴奏は楽音寺が選ばれるといいな。」
円「まぁ愛乃山ってろくな先輩にならなさそう。」
虹歌「神山!なんか言った?」
円「いや、なんでもないです独り言ですはい。」
奏人君と私はお互いの顔を見合わせてあきれ果てた。
〝やっぱり、このメンバーは楽しくて、いい。〟
私は改めてそう思った。