ある人の花

「紗藍さん!」

「ク代理。」

「行きましょう。」

「はい。」



「さっき、課長に誘われてた?」

「あぁ…姉さん、明日は休みだから久しぶりに出かけない?って。」

「断ったんですか⁈」

「え?はい、もちろん。」

「どうして?」

「先約があるから…」

「課長は忙しいでしょう?僕はいつでも暇ですよ。課長を優先すれば…」

「どうして?好きだから…私はク代理が好きだから…だから断ったんです。」

「…すみません。」

「…」

「課長の誘いを断ったんですし…明日は最高な日にしましょう。」

「はい。」

ク代理と二人きり…これで何回目なんだろう…
ドキドキする。
何話せばいいのかな?

「紗藍さん。」

「はい?」

「あの…チーム長とはどういう…?あまり詳しく聞くつもりも、興味もありませんが、関係だけ…」

「…前に付き合ってました。二年前に。」

「あぁ。」

「…幸せでした。すごく好きな人が自分を好きになってくれた…それだけで生きていけるってくらい。でもそんなの…しばらくは続いても、いつかは壊れるんだって…その時知りました。」

「…」

「それからは人を好きになることに恐れるようになりました。また自分が傷つくんじゃないかって。だけどわかったんです。ある人に出会って。傷つくのを恐れていては前に進めない。なんなら傷つけばいいんだって。」

「ある人…?」

「ええ。とてもいい人です。初めて会った時から?ずっと頭から離れませんでした。」

「…」

代理は、クスッと笑った。

「何かおかしいですか?」

「いや…なんだか嬉しいですね…」

「えっ?もしかして…バレてます?」

「逆に僕以外だったらなんかおかしいですよ。」

「そうですね。」