そうして無事に私の過去を知ってもらって、3人とも今までと変わらなく接してくれて、いつものように楽しく過ごせている。


今の私の目に映っている世界はモノクロではなく、そこには色がある。


記憶が戻らなくてもいい。新しい染谷海を生きよう。そう決めた。


お母さんも・・・分かってくれるといいな。


今を生きる私を見て欲しい。受け入れてほしい。そう思うのは私のエゴなのだろうか。


お母さんは私にとってたった1人の家族。逆に言えばお母さんにとって私はたった1人の家族なのだ。今まで私の記憶喪失のせいで沢山傷ついてきたはずだ。


これ以上苦しめたくない。私のように、お母さんも幸せなってもらいたい。辛い過去から解き放たれて欲しい。


そう願わずにはいられなかった。